研究課題/領域番号 |
25350849
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
久保田 恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (80254564)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
健康日本21(第2次)では、脂質代謝異常をはじめとする生活習慣病の発症・重症化予防とロコモティブシンドロームの予防による高齢期の身体機能・骨密度の維持が重点課題となっている。特に女性では閉経により脂質代謝異常症や動脈硬化症を惹起することが知られているが、骨密度の変化との関連は十分に解明されていない。そこで、実験動物をよりメタボリックシンドロームの症状が明確に出現するJcl/SDTを肥満群モデル動物とし、対照群をJcl/SDとし、実験群は4週齢Jcl / SDT雌ラットとJcl/SD雌ラットを閉経肥満モデル①:SDT/OVX/高脂肪食、②:SDT/OVX/普通食、対象モデル③:SD/OVX/高脂肪食、④:SD/OVX/普通食とし40週間の飼育終了後、骨密度測、及び血中脂質の分析を行った。実験群①及び②は飼育期間中に全例が高血糖状態を呈した。また飼育15週以後有意に③群の体重増加が顕著になり、44週後は実験群①②は実験群③④の50%以下と低値であった。血中脂質濃度に関しては総コレステロール値は①群で有意に高く、TG値は①群≫②群が有意に高く、③、④群間には差がなかった。骨密度に関しては、骨幹端部、骨幹部ともに③群の全骨密度が最も高く、①、②群では低かった。また、皮質骨密度と海綿骨密度で比較した場合、皮質骨密度に関しては骨幹端部、骨幹部ともに4群間で有意な差がみられなかったが、海綿骨密度は③群>④群の順で高く、①と②群では低値であった。以上のことから、閉経後に高血糖状態を呈する場合は、血中脂質濃度は高値を示し、逆に骨密度、特に海綿骨の減少が顕著となることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、動物実験が施設の故障に伴う改修で中断されたため、44週の長期飼育の期間が確保するために、実験時期がずれたため、その後の一部骨代謝マーカーや脂質代謝マーカー、及び骨の組織学的免疫染色による検討が遅れている
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今後の研究の推進方策 |
ヒト対象研究においては、長期間の追跡観察中に新たに服薬等により対象を外れるものがいるため、次年度も新たな対象を解析対象に加えると共に、初期の対象者への継続協力をもとめて、脂質代謝と骨密度の変化の検討を行う。 また動物実験における骨代謝マーカーや脂質代謝マーカー、骨の組織学的検討を行い、閉経後女性の脂質代謝と骨密度の関係を明らかにしていく。
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