本研究の対象者は、栄養士養成施設卒業生、在校生であるため、栄養士という専門職に対する職業意識、キャリア志向の違いや就労状況、家庭生活の違いによるやせと健康リスクの差について検討することができた。 栄養士養成施設在学時から卒後約40年の栄養素・食品群別摂取量には、学生時代の食嗜好が影響している可能性が示唆されたが、栄養士養成施設卒業生は在学時から食に関して高い意識を持っていることや専門的な知識を習得することで、一般女性と比較すると好ましい栄養素・食品群別摂取量であることを明らかにした。 さらに、体格変化にも専門的知識の習得が影響を与え、一般女性と比較すると肥満体型が少ないことが明らかとなった。しかし、肥満になってしまう者では、生活習慣・食習慣が好ましくない可能性があり、改善が必要である。一方で、一般女性と同様に痩せの増加が見られ、専門的知識の習得や高い食意識が過度な痩せに繋がらないような教育が必要である。 女性の健康度(QOL)に影響を与える要因が主観的健康度であることを明らかにし、栄養士養成施設で専門的知識を習得することがメンタルヘルスを高く保っている可能性を示唆した。さらに余暇を活発に過ごすことが主観的健康感を高めることが明らかとなった。 本研究対象者は全員が栄養士養成施設を卒業しており、食に関する専門的知識を習得しているため一般女性に比べて高い食意識を持っていることがわかった。しかし、卒後約40年が経過すると食生活や食意識に違いがあり、栄養士経験があり、栄養士としての勤務年数が長いとより好ましい食生活や食意識をもっていることが明らかとなった。
|