研究課題/領域番号 |
25350853
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
清水 安夫 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (00306515)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教師 / メンタルヘルス / ストレス / 職務遂行感 / 学校適応感 / 集団効力感 / ストレスモデル / HAPA |
研究実績の概要 |
本研究では,現在,多理論統合モデルとして活用されている,「健康行動過程への接近モデル(Health Action Process Approach Model;以後,HAPAと略)」を援用し,行動科学における理論的な要素を包括的に適用した「教師集団の組織的ストレスマネジメント行動モデル」の検討を行い,今後,教員研修プログラムに必要な要素を検討することを意図している。2015年度末までの3年間の研究において,アセスメントに必要な各種の測定指標が完成し,関連学会にて,複数回の研究発表を行った。また,現在は,各種のアセスメント指標を利用して,HAPAによる教師集団の組織的ストレスマネジメントモデルの仮説的モデルの適合性の検証を行っている。このモデルが完成したところで,学会誌に論文投稿を行い,受理が完了したところで,各種アセスメント指標およびモデルをインターネットにより一般的に公開し,広く学校現場のラインケアー用の資料として活用していただくようにすることになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2013年,2014年,2015年に,関連学会にて複数回の学会発表を行い,多くの研究者の先生方より研究上のご指摘をいただいた。特に,モデルを作成する前に,アセスメント指標の項目数の削減(被験者の負担の軽減)を行いつつ,多面的・多次元的な測定を可能とする信頼性および妥当性の高い指標のを作成することが必要であるとのご指摘をいただいた。そのため,バランスの良い測定指標の開発に時間を要したというのがひとつの理由である。また,昨年度と同様に,本研究を進める上での論理の構築上,「教職従事者は,他の職業従事者よりもメンタルヘルスが悪化しており,さらに,ストレスのレベルが高い」ということを数量化して実証する必要が出てきた。また,精神疾患の罹患率なども,他教職従事者と他の職業従事者との比較検討を行った先行研究を探す必要も出てきたが,これが見つからない状況であるため,研究の遂行が遅れてしまった経緯がある。しかし,遅延した分の研究を進めるためには,本問題点に固執しすぎずに,次のステージへと進めることが必要なため,論理の構築方法を変更して,進めることにしている。
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今後の研究の推進方策 |
現在,遅延している1)モデルの検証,2)インターネットによる情報発信については,2016年度内に完成できる見込みが出来ているため,今後は,作成したアセスメント指標の標準化に関する研究論文の作成および投稿,各種アセスメント指標を活用したモデルに関する研究論文の作成および投稿を進める。以上の2点が一定の見込みを得た段階にて,アセスメント指標およびストレスモデルをインターネット上で開示して,ユーザーが自由にアクセスしてダウンロードし,一般的に使用が可能なようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発したアセスメント指標およびモデルは,研究論文として学会誌にアクセプトされてからでないと,一般公開することができない。学会誌においてアカデミックなお墨付きをいただいた後,一般公開するためである。 また,そのために必要なインターネット調査費用,一般公開用のホームページ作成費用が未使用となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
残りの研究費は,インターネットサンプリング,インターネットによるホームページの作成および論文投稿にかかる費用に活用する。
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