研究課題/領域番号 |
25350855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
西崎 泰弘 東海大学, 医学部, 教授 (80237693)
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研究分担者 |
石井 直明 東海大学, 医学部, 教授 (60096196)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 隠れ肥満 / 筋肉過少 / 加齢性変化 |
研究概要 |
東京病院抗加齢ドック受診者は2014年4月時点で1,470名を超え、リピート率も60%に達している。隠れ肥満関連研究において今年度見いだされた成果は以下である。2013年の日本総合健診医学会で西崎が「中高年齢者における体格指数と体脂肪率の変化に関する検討」の口演を行った。これは、BMIは男女ともにBMINormal群が約70%台で最多であったが、その他は男性で25.0以上のObesity群が圧倒的に多いのに対し、女性はObesity群と18.4以下のPoor群群が同等であった。年代別には、男性でObesity群が40代の31%から漸減してNormal群に移行したが、女性はPoor群が20%から漸減しObesity群が8%から15%に漸増した。Normal群の体脂肪率による検討では、全体に男性は正常群が48%と高いのに対し、女性は正常群と肥満群が30%台でほぼ同等であった。隠れ肥満は男性16%、女性23%と女性に多く、筋肉質群は男性19%、女性6%と男性で多かった。年代では男性の筋肉質群が40代の36%から70台8%と急低下し、隠れ肥満群の増加と正常群の減少を伴った。女性も筋肉質群が40代の12%から70台4%に減少し、肥満群が40代の16%から70台は47%に増加した。男女ともに40歳以降に急速に筋肉が減少し体脂肪が増加し様々な加齢性問題を招く可能性が考えられた。また日本老年学会のシンポジウムにinviteされ「抗加齢ドック7年間の成果」と題する口演を行って好評を博した。発表後本報告は、同学会誌に掲載された。さらに山田千積講師が「インスリン抵抗性とメタボリックシンドロームおよび血中アミノ酸濃度との関連」を第17回日本病態栄養学会年次学術集会、「内臓脂肪量と生活習慣病、アディポサイトカイン、炎症、動脈硬化との関連」を第42回日本総合健診医学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度は、抗加齢ドック受診者が多くその95%が研究に同意下さった。2014年度は、所属医師が1名増え、さらに健診センター専従の保健師も1名着任したため研究が進めやすくなったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の内容に添って確実に遂行する。すなわち、高齢者の健康保持に筋肉量が関わっていることを明らかにするとともに、筋肉量の変化が生活習慣病関連諸因子に与える影響を分析する。現在の健診・人間ドックにおける保健指導は、総カロリーと歩行程度に留まっていることが多い。これを発展させ、体脂肪のみならず筋肉量や骨密度、さらには動脈硬化関連マーカーや血中アミノ酸分析との関係を求めるとともに指導後に諸データーが改善した例において、体脂肪率、筋肉量をはじめとする体組成や骨密度、血中アミノ酸がどのように変化しているかを分析し、健診・人間ドックにおける健康指導への還元を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究助手の雇用が遅れたため、一時的に研究の遂行が若干遅れ、結果的に研究費の使用も滞った。 今年度は所属する医師と保健師が増えたため、研究の遂行はスムースになると考えられる。一方支出も増えると思われ、適正に管理してゆく必要がある。
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