本研究の目的は、地域在住高齢者を対象としてsense of coherence (SOC) の実態を明らかにすることと認知機能との関連について検討することであった。横断的解析ではSOCと低栄養状態などの老年症候群に関連した項目との間に関連が示唆された。フォローアップ調査において、SOCスコアの平均値は保持されていた(68.0±11.3→67.9±11.5; mean±SD)。2年間のSOCスコアの変化量を従属変数とした重回帰分析を実施したところ、うつスコアが負の関連要因であることが示唆された。SOCと認知機能スコアとの間には有意な線形の関連は見いだせなかった。
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