本研究では、乳がん検診対象年齢の女性における乳がん検診に対する選好とその多様性について検討を行った。FGI調査を通じて選択した5属性:「検診を受けるまでの待ち期間」、「検診を受けるためにかかる合計時間」、「検診を担当するスタッフの性別」、「がんがある時にがんが正しく見つかる確率」、「検診を受けるためにかかる合計費用」について、選択型実験にて各属性の評価傾向を検討した。その結果、いずれの属性についても、係数は有意で妥当な符号の係数が推定された。また、一部の属性には、選好の程度に個人間でばらつきがあることが示唆され、がん検診への評価の違いにあわせた具体的な働きかけが有効である可能性が示唆された。
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