本研究は、大学生用に開発した積極性評価尺度を一般成人にも適用できるように開発すること、およびその尺度を用いて一般成人の喫煙者と非喫煙者、および禁煙成功者と失敗者の積極性の特徴を把握し、得られた結果をもとに禁煙挑戦行動や、よりよい健康行動を示すために必要な要素を明らかにし、有効な健康行動支援方法を見出し提案することを目的としている。 今年度は、研究を1年延長してこれまで集積したデータをもとに、喫煙者、禁煙者、非喫煙者の心理面の違いや、禁煙成功者の禁煙継続年数による違い、男女、年齢段階による違い等を明らかにした。特に、積極性評価尺度について、内的整合性信頼性の検定を行い、高い信頼性を有することを確認した。その中で、積極性評価尺度の各項目や7因子についけの総合点上位群と下位群の比較検討では、因子については明確な有意な違いが見られたが、各項目の検討では、35問中5問については有意な差が見られず、評価尺度から削除する可能性も考えられた。 これら一連の研究を、たばこと健康行動の関係性の現状把握、予防、治療または行動変容の3つの観点から分析し、現在のたばこ環境に関する社会調査および、生活環境と喫煙の関係の検討、積極性評価尺度得点と喫煙経験との関係について、まとめているところである。 今年度はデータ分析に集中したため、研究結果の公表にはほとんど至っていないが、研究終了後にいくつかの研究報告を行う用意は進んでいる。
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