研究課題/領域番号 |
25350870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
日下部 典子 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (60461290)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ストレスマネジメント |
研究概要 |
妊産婦を対象としたうつ予防のためのストレスプログラム開発を目的として,乳幼児を育てている母親を対象として,うつおよびストレス・プロセス,ソーシャル・サポート,被援助志向性についての実態解明をすることが必要である。そこで,0歳児から6歳児までを対象として質問紙調査を実施し,その結果を解析した。 その結果,うつ傾向とソーシャル・サポートには有意な相関がみられなかったが,ソーシャル・サポートと被援助志向性の間にはいくつか有意な相関がみられた。「第1因子:被援助に対する懸念」とソーシャル・サポート尺度(医師・看護師・保健師)との間,また「第2因子:被援助に対する肯定的態度」は,ソーシャル・サポート尺度(保育士)の「第1因子:保育所での対応」と「第2因子:相談・アドバイス」,およびソーシャル・サポート尺度(同居家族)の「第1因子:話し合い」との間に正の相関が,「第3因子:被援助に対する抵抗感」はソーシャル・サポート尺度(保育士)の「第3因子:しつけ」との間に負の相関関係があった。すなわち被援助志向性が高い人ほど,サポート希求をする可能性が示された。また,発達障害の子どもの母親は,健常児の母親と比べて,よりサポート希求が強く,被援助志向性との相関も強いことが明らかとなった。すなわち,子どもの状態によってサポート希求の程度に違いがあることが示唆された。 また,福山市が実施している妊婦への妊娠・出産・産後に関する教室(パパママ教室)のプログラムを検討したところ,産後うつや育児ストレスおよびストレス軽減に関する情報はほとんどなかった。産後3か月の母親へのインタビューから,産後うつの実態や対応に関する情報,また育児ストレスについての知識がほとんどないこと,妊娠中にそれらについての学習機会があったらよかったと思うことなどが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
乳児の母親を対象として質問紙調査を実施し,ストレス・マネジメント・プログラムの開発までを平成25年度の実施計画として立てていたが,調査の実施と結果の解析までで,プログラムの開発までは至らなかった。その理由として,調査に当初予定していたよりも時間がかかったことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査の結果に基づき,妊産婦を対象としたストレス・マネジメント・プログラムを開発する。これまでの結果に加えて,ストレッサーとサポートの関係を明らかにする必要がある。 プログラムの開発と並行して,妊産婦を対象として産後うつ,育児ストレスについての知識を調査によって明らかにする。また,妊産婦のストレス状態,被援助志向性についても質問紙調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
質問紙調査結果の入力をアルバイトを依頼し,人件費が生じる予定であったが,調査対象者人数が少なかったため,アルバイトを依頼しなかった。 今年度の質問紙調査における調査実施および入力業務におけるアルバイトの人件費として使用する予定である。
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