研究課題/領域番号 |
25350874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
香川 隆英 独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 室長 (50353636)
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研究分担者 |
高山 範理 独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 主任研究員 (70353753)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セラピーロード / 奥多摩町 / ストレス / 自律神経活動 / 血圧 / 教職員 |
研究概要 |
東京都の教職員における精神的な疾患を原因とした休職者数は、平成14年以降毎年増えている。平成20年度の公立学校の休職者数およそ800人のうち、7割が精神疾患(双極性障害・抑うつ等うつ病)によるものである。さらに、精神的なストレスを抱えた教職員が、うつ病予備軍として拡大していることは言を俟たない。近年、森林浴のリラックス効果が、森林セラピーとして科学的に証明されてきている。こうした森林セラピーを活用し、高いストレス環境下にある教職員等のストレスマネジメントに寄与させることは、大変意義がある。このため、東京都奥多摩町に新たに設置された森林セラピーロード等において、教職員等の森林セラピー体験プログラムにおけるストレス緩和効果の検証を行う。 東京都教職員を対象にした奥多摩セラピーロードの利用実態アンケート調査の分析を行った結果、森林セラピーの満足度は総じて高く、特に女性において82%と男性の76%を上回った。森林セラピーの必要性について、20代の若い世代に比べ4,50代の中高年世代の必要性が高い。中高年はストレスに加え、病気予防への関心が伺える。森林でのストレッチやヨガはプログラムとして評価が高く、ガイドによる森林セラピーウォークは、男性20代を除き各年代で男女とも満足度が高い。森林セラピーのウォーキングは、緩傾斜の歩道をゆっくり歩くため、若い世代には物足りないが、女性や中高年層には満足度が高い。教職員等を被験者とした森林セラピー効果実験に適当な生理指標として、自律神経活動、収縮期・拡張期血圧、脈拍数、唾液アミラーゼ活性など、心理指標としてPOMS、STAI、PANAなどが抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京都教職員等における奥多摩セラピーロードの利用実態アンケート調査の分析を行い、ガイドによる森林セラピーウォークは、若い世代以外は各年代で男女とも満足度が高い結果が得られるなど、満足度の高いセラピープログラムを抽出した。教職員等を被験者とした森林セラピー効果実験に適当である指標として、これまで全国57か所の森林セラピー基地実験等で実施した生理指標のうち、自律神経活動、収縮期・拡張期血圧、脈拍数、唾液アミラーゼ活性など、心理指標としてPOMS、STAI、PANAS(Positive and Negative Affect)などを抽出し、目的を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
東京都奥多摩町に新たに開設した森林セラピーロード等において、効果的な森林セラピープログラムを高ストレス下の東京都教職員等に体験してもらい、自律神経活動、収縮期・拡張期血圧、脈拍数、唾液アミラーゼ活性などの生理指標および、POMS、STAI、PANAS(Positive and Negative Affect)などの心理指標を用い、奥多摩セラピーロードにおけるストレス緩和効果の実証実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査結果のデータ入力等がスムーズに実施でき、非常勤職員の人件費が予定より少なくなった。 POMS等心理調査票を購入する。
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