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2014 年度 実施状況報告書

森林セラピーによる教職員へのストレス緩和効果

研究課題

研究課題/領域番号 25350874
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

香川 隆英  独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 室長 (50353636)

研究分担者 高山 範理  独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 主任研究員 (70353753)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード森林セラピー / 森林セラピー基地 / 森林セラピーロード / ストレス緩和 / 自律神経活動 / POMS(気分の変化)
研究実績の概要

東京都の教職員における精神的な疾患を原因とした休職者数は、平成14年以降毎年増加している。公立学校の休職者数のうち、かなり高い割合で、その原因が精神疾患によるものであるというデータもある。今後さらに、精神的なストレスを抱える教職員が増加するとともに、うつ病等の予備軍として拡大する危険性が高い。我が国では近年、森林浴のリラックス効果・ストレス緩和効果が科学的に実証されてきており、森林セラピーとして各地域に定着しつつある。
東京都奥多摩町に新たに開設された、森林セラピー専用トレイル、セラピーロード等を用いて、東京都教職員に森林セラピー体験を実施したもらった。2日間の森林セラピーツアーにおいて、1日目の森林浴前後で、収縮期血圧・拡張期血圧が減少したが有意差は認められなかった。また、脈拍数においては、森林浴前後で5%有意に増加した。この理由として、森林浴プログラムにおいて、高低差の大きいトレイルを歩行したことが考えられる。一方、心理指標であるPOMSについては、森林浴前後で緊張・不安感、抑うつ・落ち込み、混乱の気分が有意に減少した。これらは、森林セラピーが人の気分をリラックスさせ、緊張感を和らげ、落ち込む気分を緩和してくれたと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東京都教職員による奥多摩町のセラピーロードを用いた森林セラピーツアーにおいて、自律神経活動である収縮期・拡張期血圧が森林浴によって低下傾向が見られたこと、さらに被験者の心理的な気分を表すPOMSにおいて緊張感が緩和され、抑うつ感が有意に低下するなど、気分の改善効果が見られ目的を概ね達成した。

今後の研究の推進方策

奥多摩セラピーロードにおける教職員の森林セラピーツアーにおいて、さらに追加データを集積するとともに、これまでの研究結果と合わせて教職員のストレス緩和効果を生理・心理両面から分析し、森林セラピープログラムによるストレス緩和効果をとりまとめる。

次年度使用額が生じた理由

測定データの分析等が、予定以上にスムーズに実施できたため、非常勤職員の人件費が少なくて済んだ。

次年度使用額の使用計画

新たに追加する実験データの分析に加え、これまで2年間蓄積したデータを集積して分析するために、非常勤職員の人件費を計上する。さらに、本研究で得られた成果を、森林セラピーを政策として活用している地方自治体・市町村等に還元するための出張旅費を計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The spread of forest therapy in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      香川隆英
    • 学会等名
      IUFRO2014 World Congress Scientific Committee
    • 発表場所
      ソルトレイクシティ・アメリカ
    • 年月日
      2014-10-06

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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