研究課題/領域番号 |
25350876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 正也 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 作業条件適応研究グループ, 上席研究員 (70332400)
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研究分担者 |
久保 智英 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 作業条件適応研究グループ, 主任研究員 (80464569)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 概日リズム / 睡眠・覚醒 / 交代勤務 |
研究概要 |
スウェーデン・カロリンスカ研究所で作られた朝型・夜型調査票(Diurnal Type Scale, DTS)の日本語版を作成し,標準化することを目的として,本研究を開始した。DTSは7項目と少なく有効であるため,欧米ではよく使われている。しかし,わが国では心理測定学的に標準化された日本語版が存在しておらず,開発が早急に求められている。初年度となる今年度は,日本語版DTSの試作を行った。原版を研究代表者と研究分担者で和訳し,日本語版DTS(案)を作成した。この和訳版を英語に精通している外部の日本人が英訳した(逆翻訳)。この逆翻訳版を原版作成者(現在,ストックホルム大学にも所属)に送付し,原版との比較検証を依頼した。その結果,両者の整合性が確かめられ,日本語版DTS(案)が完成した。また,ブラジルで開かれた第21回交代勤務と労働時間に関する国際シンポジウムにおいて,原版作成者の長年にわたる共同研究者である睡眠研究者(ストックホルム大学/カロリンスカ研究所)と本研究について直接に協議し,共同研究者としての参加快諾を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に日本語版DTS(案)は完成した。これから行う信頼性および妥当性の検討についても,原版作成者からの協力や助言を適宜受けられる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に作成した日本語版DTS(案)をもとに,次年度からは次のような計画を進める予定である。調査会社に登録している労働者集団から性別や年代などを考慮して,常日勤群400名,交代勤務群200名を選定する。彼らに日本語版DTS,日本語版Morning-Eveningness Questionnaire(MEQ)を含む調査票への回答を依頼する。得られたデータから内的信頼性や因子構造などを確かめる。また,日本語版MEQに基づいて分類された「朝型」,「中間型」,「夜型」と日本語版DTSによる分類結果の整合を調べ,基準関連妥当性を検証する。この調査より1ヶ月後,常日勤群の中から性別や年代をそろえて「朝型」,「中間型」,「夜型」をそれぞれ20名選定し,日本語版DTSの回答を依頼し,再テスト信頼性を検証する。さらに,携帯型活動量計を1週間装着し,客観的な睡眠覚醒データから日本語版DTSに基づく分類の妥当性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度は日本語版DTS(案)の作成および原版作成者との連携を主眼にし,調査の実施は次年度以降としたため。 次年度使用額と二年目の交付額とを合わせることで,必要となるサンプル数ならびに携帯型活動量計のレンタル費用などを確保する予定である。
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