介護従事者の心身の健康増進を狙いとして、腰背部の愁訴を軽減するストレッチ運動プログラムを考案し、その効果検証を行った。老人ホームに勤める介護職員を対象に無作為化比較試験による4週間の介入研究を実施し、ストレス反応、腰痛の状況、柔軟性等の変化を測定した。女性において、長座体前屈が対照群で数値が低下したのに対して介入群では上昇した。コルチゾールは対照群で介入期間終了後に値が増加したのに対して介入群は漸減した。男性ではいずれの項目も有意な交互作用を認めなかった。本プログラムは女性の介護従事者の柔軟性の改善および唾液コルチゾールの低減をもたらし、延いては心身のストレス緩和に寄与する可能性が示唆された。
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