研究課題/領域番号 |
25350878
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
佐野 喜子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20399603)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | カーボカウント / 糖尿病療養指導 / アドヒアランス / 食事指導プログラム / 治療満足度 / カーボカウント評価指標 |
研究概要 |
【糖尿病療養指導におけるアドヒアランスを高める因子の探求】 療養療法を長期に継続するためには、数値目標だけでなく、患者の意向や必要性、価値観が反映されることでアドヒアランスが高まることが報告されている。そこで、自治体が実施した平成25年度①糖尿病性腎症悪化防止事業および②糖尿病重症化防止事業のベースライン時の参加者を対象に、質問紙による生活基本情報、疾病に関する意識・知識・行動、糖尿病の治療満足度および食物頻度調査による食生活状況を解析した。①の対象者は、レセプトから糖尿病腎症2~3期と推定される65名(70.0歳、BMI 25.6kg/㎡、HbA1c 7.0%、TG 110mg/dl、 e-GFR 65mL/min1.73㎡、炭水化物摂取量 230.2g)、②は「糖尿病で未治療かつHbA1c 8.1%以上」または「糖尿病で治療中かつHbA1c 10.0%以上」の33名(69.0歳、BMI 26.8kg/㎡、HbA1c 10.2%、TG 161mg/dl、 e-GFR 87mL/min1.73㎡、炭水化物摂取量 261.5g・中央値)である。①では「糖尿病に関心度が高い人」は、健診結果管理が良く、健康情報を生活改善行動に取り入れることや糖尿病の知識に自信はあるが、自分の疾病状況をよく理解しているとは限らず、治療継続への満足度は低かった。②では、加齢とともに高血糖の自覚が減っていた。「現治療への満足度が高い人」は、自分の疾病状況をよく理解しており、治療継続への満足度が高かった。双方に共通していたことは、ストレスと自覚的健康度に強い関連性があり、自分に必要な情報収集ができる人は、情報の活用により生活改善の行動を決めることができる傾向が高かった。以上の結果から、健康情報の効果的な提供や活用法の検討が、継続治療のアドヒアランスを高める因子である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度糖尿病重症化事業は初年度のため事業開始が遅延したが、本年度は6月よりリクルートを開始し、継続的に検証を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
主任研究者の所属異動により、フィールドが「医療」から「地域」に移行したため、「カーボカウントのアドヒアランスを高める指導プログラム」の効果検証のためのランダム化比較試験の実施形態の調整が必要となる。 対応策:指導プログラムの構築を早め、評価シートの妥当性および食事指導プログラムの効果検証を、重症化防止事業において実施できるように、現在自治体と検討中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)食事アセスメント用タブレットPC購入を見合わせ、食事調査用プログラムへの仕様変更 を行ったため 2)主任研究者の所属異動により、フィールドが「医療」から「地域」に移行したため、初 年度開催予定であった検討会開催を次年度以降に組み替えたため 1)2)ともに、平成26年度に執行を予定している。
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