研究課題
生活習慣病 肝発現型疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について、高脂肪・高糖食餌による栄養性脂肪肝を基盤とし組織酸素供給の間欠的不足(睡眠時無呼吸症候群に近似)により惹起させたNASH [特許第5109134]モデルを用い病態機転の解明と、有望な抗MS機能性化合物と考えたポリアミンの作用機序追究により、NASH病態における変化 (下記①~⑩)ならびにこれら変化に対するポリアミンによる是正作用とその程度に呼応するNASH病態進展抑制強度の結果を得て、環境因子[高脂肪・高糖に偏った食餌と組織酸素供給不足]がもたらすNASH作動原理【ミトコンドリア代謝に関わるエピジェネティック変調 ⇒生体内ミトコンドリアエネルギー代謝活性↓, ミトコンドリア電子伝達系の不調=ミトコンドリア障害/エネルギーセンサーの失調⇒エネルギー代謝異常: ATP産生↓, 脂質新生↑,食事性酸化ストレス,炎症タンパク誘導】を解明した。①NASH推定診断基準と確定診断基準による評価によるポリアミンによる有効性。②グアニン塩基を含む生体構成分子のニトロ化変性体(8-NO2G:炎症性関連疾患、がんや加齢に伴うがん発生に大きく寄与する因子の指標)の著明な上昇.②核タンパク質ヒストンH1消失. ③ミトコンドリアエネルギー代謝活性を低下させる核タンパク質ヒストンH3 (H3)メチル化度を制御する酵素活性変化. ④肝ミトコンドリアの栄養エネルギー代謝機能. ⑤肝ミトコンドリアの栄養エネルギー代謝性酸化ストレス亢進. ⑥酸化ストレス-炎症性蛋白誘導に機能するNF-κB活性化. ⑦炎症性蛋白の著明な誘導. ⑧白血球の活性化・肝臓への浸潤.⑨細胞内エネルギーのセンサーの活性低下. ⑩肝臓で脂質合成を促進的に制御する包括的転写因子の活性上昇.ポリアミンのNASH有効性は以上の病態進展因子変動の抑制を介すと考えられる。
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