リポ蛋白リパーゼトランスジェニックウサギ(LPL-Tg)は、肥満・糖尿病になりにくい特徴をもつ。LPL-Tg群とコントロール群の骨格筋の代謝物質を網羅的に測定した結果、40種類の濃度の異なる代謝物質が見つかった。これらは、TCAサイクル、尿素サイクル、アミノ酸代謝、カルニチン代謝等に関与するものであった。特に、N-Acetylneuraminic acid濃度の増加はエネルギー消費の亢進と関連し、一方、シスタチオンの増加はエネルギー消費の抑制と関連した。加えて、メチオニンの増加はインスリン抵抗性の改善と関連した。これらの代謝物質の増加または低下が抗肥満・抗糖尿病の重要なメカニズムと考えられた。
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