研究課題/領域番号 |
25350890
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
吉武 裕 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (00136334)
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研究分担者 |
吉田 剛一郎 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (10274870)
前田 明 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40264543)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 身体活動 / 体力 / 健康寿命 / 生活機能 |
研究実績の概要 |
今年度は、2つの課題について検討した。研究1:高齢者70歳以上高齢者の身体活動と体力との関連について.70歳以上の高齢者(男性:56名、女性:117名)を対象に厚生労働省の健康日本21の目標歩数(男性:6700歩、女性900歩)者の割合および体力と身体活動状況の検討した。研究2:高齢者における膝の痛みと身体活動状況および体力との関係):高齢者156名(男性36名:74±6歳、女性122名:75±6歳)を対象に膝痛と体力および身体活動状況について検討した。 その結果、研究1:1日の歩数は、男性6115歩、女性6336歩であり、女性は目標歩数を上回っていた。男女とも達成群は未達成群より安静時間は有意に長かった。また、女性のみ高強度活動時間は有意に長かった。体力は男性では両群間に有意な差は認められなかった。女性では未達成群は達成群に比べて最大歩行速度と開眼片足立ちが優位に劣っていた。以上の結果から、達成群は未達成群より1日の活動時間は長い傾向にあり、体力水準は高かった。研究2:膝痛を有するものは男性17.6%、女性54.6%であった。その結果、膝痛を有する者は、女性においてのみ身体活動およびバランス能力、歩行移動能力の低下が認められた。 今年度においては、後期高齢者の身体活動(歩数、強度別活動時間)状況と体力および日常生活動作遂行能力の関係について検討した結果、健康寿命に関連要因である身体的自立と身体活動の時間と強度の関連についての基礎的な結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は縦断的研究であるため、病気などのために体力測定に参加できなかったものがみられた。また、本年度は対象者(継続参加者)の日程調節などの関係で体力測定の実施回数が不足した。そのため、高齢男性の参加者が当初予定より少なかったことから、高齢男性の参加者を増やす予定である。しかし、女性については予定より多くの対象者を得ることができ、ほぼ予定通りの進捗状況である。来年度については、早期に体力測定参加者の募集を開始し、対象者の確保に努める。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、後期高齢者の日常生活における活動パターンを歩数、強度別活動時間の面からから明らかにし、身体活動(運動)介入が望ましい時間帯について検討する。また、これまで健康づくりに必要とされている3メッツ以上の強度の活動が日常生活の中でどの程度の頻度でみられるかについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 1)米国スポーツ医学会に出席するためである。 2)測定機器の修理等の可能性があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
米国スポーツ医学会出席のための旅費等に使用する。
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