本研究の目的は後期高齢者の健康寿命の維持・向上に必要な身体活動の時間と強度を縦断的調査により明らかにすることである。対象者は152名の地域在住高齢者(60~88歳)である。平均追跡調査期間は3.7年(1~10年)である。測定項目は体力、歩数、強度別身体活動時間(加速度計)などである。その結果、1日の総歩数が約6000歩以下になると歩行速度、Timed Up and Go Testの有意な低下が認められた。また、加齢に伴い歩数が30~40%低下すると、歩行能力は著しく低下することが明らかになった。以上の結果から、後期高齢者の健康寿命の維持には1日6000歩以上必要であることが明らかになった。
|