研究課題/領域番号 |
25350894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
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研究分担者 |
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40295811)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 危険因子 / 血圧変動 / 起立 |
研究概要 |
高血圧者は正常血圧者と比較して、年齢、BMI、SBP、DBP、TG、血糖値、HbA1cが有意に高値であり、LDL-Cが有意に低値となった。さらに、hs-CRP、微量アルブミン尿、mean-IMT、SBP2、baPWVが高血圧者で有意に高値となった。また、起立負荷検査中の血圧、心拍数、自律神経機能の変動では、高血圧者でSBP、DBPがすべての体位で有意に高値となったが、心拍数では差はなかった。CVRR、CCVHFは高血圧者において有意に低値となった。LF/HFでは有意差はみられなかったが、高血圧者で低い傾向にあった正常血圧者におけるOH群では、SBPが有意に高値となった。高血圧者におけるOH群では、SBP、心拍数が有意に高値となり、TGは有意に低値となった。また、SBP2は正常血圧者においてOH群がONT群よりも有意に高値となったが、性、年齢、SBPで補正すると有意差は認められなかった。baPWVは性、年齢、SBPで補正後も正常血圧者、高血圧者においてOH群がONT群よりも有意に高値となった。baPWVに影響する因子の重回帰分析の結果、正常血圧者、高血圧者ともに⊿SBPが有意に採択された。高血圧者では、座位から立位への体位変換に伴う血圧の低下が大きく、自律神経活動も低下していた。また、血圧が過度に低下するものはbaPWVが有意に高値であった。以上より、起立負荷時の血圧変動が早期動脈硬化危険因子と関連していることが示唆された。 尿中Na排泄量に関しては60歳以上の住民について3町の比較を行い、みなべの住民は7.83gとかつらぎ、上富田住民に比べ有意に定値であった。又、10年前のデータと比較し高血圧群は正常血圧群に比べて認知機能に障害のあることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
かつらぎ町、みなべ町、上富田町3町の住民健診のデータから起立負荷時の血圧変動が早期動脈硬化危険因子と関連していることが示唆された。尿中Na排泄量に関しては60歳以上の住民について3町の比較を行い、みなべの住民は7.83gとかつらぎ、上富田住民に比べ有意に定値であった。又、10年前のデータと比較し高血圧群は正常血圧群に比べて認知機能に障害のあることが明らかとなった。このように分析し、早期動脈硬化指標の評価を行い、早期発見につながるようその過程をおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、かつらぎ、みなべ、上富田町での健診を今年も実施し、地域住民の測定結果の分析を行い早期動脈硬化危険因子との関連を明らかにしていく。 そして、かつらぎとみなべの国民保険医療費を調査し、比較検討を行っていく。かつらぎ町は国民保健医療費がみなべに比べ高く、みなべ町と比較することにより、両地区における特徴が明らかになるよう調査を続けていく。かつらぎ町で、特定健診受診者をGIS野ソフトにいれ、受診者、非受診者の情報を「見える化」することにより。特定健診受診動向を調査することにより、受診者数の増加をはかることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
健診や研究に必要な人員の費用を予算に計上していたが、支出なしで抑えられたことや 物品の調達が次年度に繰り越されたため金額に変更が生じた。 次年度は検査機器の購入や人員確保に使用する計画である
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