本研究は、D-ガラクトース投与による亜急性老化モデルマウスでも自然老化マウスと同様にメラトニンの長期投与が加齢に伴う学習記憶機能の低下を抑制することを明らかにした。どちらのマウスでも、メラトニンは、加齢に伴う脳の酸化ストレスの蓄積や神経細胞の形態学的変化を抑制することが示された。自然老化マウスの大脳皮質における遺伝子の発現を解析した結果、その発現量の加齢に伴う変化がメラトニンの長期投与により抑制される遺伝子が80個ほど得られた。今後は実験動物として亜急性老化モデルマウスも動員してメラトニンの学習記憶機能に関する抗加齢効果の作用機序が解明されることが期待される。
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