研究課題/領域番号 |
25350905
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 兼任准教授 (10317894)
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研究分担者 |
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 名誉教授 (80214352)
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
木目 良太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90366120)
渡辺 翼 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (60649333)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 運動療法 / 心拍出量 / 筋酸素動態 / 心肺運動負荷試験 / 運動耐容能 |
研究実績の概要 |
対象としたのは、前年度までと同様に東京医科大学病院の心臓リハビリテーションセンターにて運動療法を実施した慢性心不全(CHF)患者であり、研究目的、方法、意義について書面および口頭にて説明し、同意の得られた患者とした。対象者に対して、自転車エルゴメータを用いて心肺運動負荷試験(CPX)を実施した。運動中には呼気ガス分析装置を用いて酸素摂取量、二酸化炭素排出量、換気量の測定を行い、インピーダンス法を用いて心拍出量(CO)の測定を行った。同時に近赤外線分光法を用いて、大腿四頭筋および下腿三頭筋における酸素動態の測定を行った。また、同年代のコントロール(CON)群を設定し、CHF 群と同様の測定を実施し比較検討を行った。 CHF群に対しては有酸素運動および筋力トレーニングの組み合わせによる心臓リハビリテーションプログラムを実施した。有酸素運動は、AT強度の自転車エルゴメータ運動を実施し、筋力トレーニングはセラバンドや自体重を利用して実施した。心臓リハビリテーションプログラム開始3ヶ月後に、開始時と同様の測定を行い運動療法の効果を検討した。 これまでの解析結果では、最高酸素摂取量(peak VO2)は安静時COとの相関は認めなかったが最大心拍出量(peak CO)と正の相関が認められた。また、3ヶ月間の心リハの前後において、peak COに有意な変化は認めなかったが、自転車運動の主働筋である外側広筋における筋組織酸素取り込みには有意な改善が認められた。CHF患者におけるpeak VO2は、安静時の心機能との関連は少ないが、最大運動時の心機能との関連が大きいことが示唆された。また、心臓リハビリテーションの効果として、心機能の改善よりも骨格筋の機能向上の方が大きいことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心臓リハビリテーション開始時の測定は順調に進んでいるが、通院リハビリテーションが実施できない患者が多く、3ヶ月後の効果判定のデータが十分に集められていない。また、研究代表者の異動もあり、解析がやや滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
追加の測定は困難な状況であり、平成29年度の出来るだけ早い時期に解析を進めて論文にまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動のために参加予定の学会に参加できずに旅費に残額が生じた。また、心臓リハビリテーション実施後の測定人数を十分に確保できなかったために、謝金も予定より少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表や解析費用に使用する予定である。
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