国民的疾患である心筋梗塞発症後において適切な運動が、長期予後を改善することが期待されている。しかし、real-worldでの実情は明らかでなく、大阪急性冠症候群研究会に登録された急性心筋梗塞生存退院例5170例において運動習慣・能力との5年予後との関連の調査を行い運動の意義について検討した。退院後の定期的運動習慣は22.3%のみに認められ、5年間の累積死亡率は3.47%と非定期的運動群7.94%に比し有意に少ないが、梗塞サイズなどの多変量解析により有意差は消失した。しかし高運動強度、運動習慣の獲得と予後改善効果は有意に関連しており、心筋梗塞後の運動習慣獲得の意義が示された。
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