研究課題/領域番号 |
25350915
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
太田 雅規 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (70341526)
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研究分担者 |
江口 泰正 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (70512185)
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90248592)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 有酸素運動 / イリシン / 無作為化比較試験 / 季節変動 |
研究実績の概要 |
平成25年度は、寒冷環境下で作業する者は常温で作業する者よりも血漿中イリシン濃度が高いこと、10月から12月にかけての寒くなる時期に有酸素運動を行うと血漿中イリシン濃度が有意に増加することを示した。そこで、有酸素運動を行う時期によって血漿中イリシン濃度の増加レベルが変わる、すなわち、寒くなる時期にかけての運動では血漿中イリシン濃度が増加するが、暑くなる時期にかけての運動では増加しないとの仮説を立て、平成26年度の運動介入研究を行った。 平成26年度の研究では、有酸素運動の介入時期を6月から9月の暑くなる時期に設定し、平成25年度の寒くなる時期の運動介入と同じ条件で、10週間の有酸素運動による無作為化比較試験を行った(介入群N=14、コントロール群N=14)。 その結果、暑くなる時期の有酸素運動では、心配持久力の指標であり、運動効果を示す最大酸素摂取量は、介入群で有意に増加したが、血漿中イリシン濃度には有意な増加を認めなかった。コントロール群では、最大酸素摂取量も血漿中イリシン濃度も有意な変化を認めなかった。さらに、寒くなる時期に行った運動介入研究での変化量との比較を行ったところ、有意に寒くなる時期は暑くなる時期に比べ血漿中イリシン濃度の増加量が多いという結果を得た。 以上から、運動による血漿中イリシン濃度の増加には、気温が影響していることが示唆された。平成27年度ではさらに解析を進め、その違いが心血管リスクの運動による是正効果に関連しているかの検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、2つの課題の検証を目的として進めている。 一つ目の課題「慢性的な寒冷曝露下での身体活動の有無によるイリシンの発現の違い」については、平成26年5月に国際学会で発表を行った。 もう一つの課題である「有酸素運動の介入時期による効果の違いとイリシン発現との関係」についても、平成25年度の寒くなる時期については、計画通り実施し、平成26年7月に国内学会で発表を行った。さらに、暑くなる時期についても、計画通り運動介入試験を実施した。 以上のように、研究計画は概ね順調に進んでおり、成果発表を行うに至っている。但し、一酸化窒素代謝物の測定については、測定結果が得られなかったため、試薬等を再調整し平成27年度に測定を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
一つ目の課題「慢性的な寒冷曝露下での身体活動の有無によるイリシンの発現の違い」については、平成26年度に国際学会で発表を行っているので、それを元に平成27年度は論文化を行う。 二つ目の課題「有酸素運動の介入時期による効果の違いとイリシン発現との関係」についても、平成25年度と平成26年度に集めたサンプルの解析を進め、学会発表および論文化を行っていく。 なお、上記と並行して、一酸化窒素代謝物の再測定を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度内に、学会発表に加え論文化を考えていたが、年度内には論文化に至らず、英文校正等にかかる費用が次年度使用額として一部生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度では、早急に論文化を進め英文校正等として用いる予定である。
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