白色脂肪を褐色脂肪化する新規物質「イリシン」に着目し、環境温度、特に寒冷曝露や運動開始時期による運動効果の違いについて検討を行うことを目的とし、(1)慢性的な寒冷曝露下での身体活動の有無によるイリシン発現の違い、(2)有酸素運動の介入時期による効果の違いとイリシン発現との関係、について検証した。 その結果、寒冷環境下での作業者は常温環境下での作業者に比べイリシンレベルが高いことが示された。また、暑くなる時期の12週間の運動介入でのイリシンレベルは増加を示さないが、寒くなる時期の運動介入では有意な増加を示した。ただし、測定キットに交差反応を疑う報告もあり、結果の解釈には注意が必要である。
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