研究課題/領域番号 |
25350916
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研究機関 | 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター |
研究代表者 |
川合 ゆかり 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員 (80530253)
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研究分担者 |
高波 嘉一 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (40206777)
谷村 祐子 愛知東邦大学, 人間学部, 助教 (90551458)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | HDL / メタボリックシンドローム / 運動 / 酸化ストレス / 慢性炎症 |
研究実績の概要 |
平成26年度は前年度実施した基礎検討の結果をふまえ,メタボリックシンドローム該当者および予備群を対象として16週間の運動を中心としたメタボリックシンドローム改善プログラムを実施した. 方法はメタボリックシンドローム該当者または予備群の男性31名を対象として,運動プログラムを16週間実施し,対照群(男性10名)にはこれまでと同じ生活習慣を16週間継続させ,プログラム開始前,終了後に検査を行った. 結果1)運動耐容能:16週間に及ぶ運動プログラム実施の結果,体重あたりのpeakVo2は平均11%の有意な増加が認められた.2)体組成および内臓脂肪面積:体重は平均6.0kgの減少,体脂肪率は平均4.4%の減少,腹囲は平均7.1%の減少,内臓脂肪面積は平均29.6%の減少を示し,これらはいずれも有意な変化であった.3)炎症,酸化ストレスマーカー:炎症マーカーであるCRPは平均11%の減少,TNF-αは平均21%の減少,IL-6は平均17%の減少,酸化ストレスマーカーであるMDA-LDLは平均13.4%の減少,カルボニル化タンパク質も平均18.6%の減少といずれも有意な変化を示した. 4)血清脂質:TGは平均39.0%の減少,TCは平均8.3%の減少を示しいずれも有意な変化であった. Small, dense LDL-Cは平均15.5%の有意な減少を示した.HDL-Cはわずかであったが増加を示し,HDL粒子サイズの有意な上昇が認められた. 今年度実施した運動プログラムにおいても,基礎検討と同様にメタボリックシンドロームの診断基準が改善されるという結果を得た.さらに酸化ストレスおよび慢性炎症状態を改善し,HDLの質の変化に関してはHDL粒子サイズの変化が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度はメタボリックシンドローム該当者および予備群を対象として16週間の運動を中心としたメタボリックシンドローム改善プログラムを実施し終了した.採取した血液の測定項目はほぼ終了しているが,HDLの質に直接関わる“HDL逆転送系におけるコレステロール引き抜き能”の測定が完了していないため.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度中にはプログラムおよびすべての検査,血液の測定が終了する予定であったが,一部HDLの質に関する測定が遅れているので,早急に基礎検討等を終え,迅速に測定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
HDL逆転送系におけるコレステロール引き抜き能の測定が遅れているため.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度,上記の測定に使用する.
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