ddYマウス(オス、7週齢)に、高脂肪(60エネルギー%)・高スクロース食を投与した結果、同じ割合の脂肪を含む高脂肪食(60エネルギー%)を投与したマウスと比べて、早期に肥満、脂肪肝を発症した。さらに、その後の増悪化も早いことが明らかになった。しかし、6ヶ月投与した時点で高脂肪・高スクロース食摂取群と高脂肪食摂取群の肝臓において線維化の程度に違いはみられず、高脂肪・高スクロース食摂取群の肝臓に非アルコール性脂肪性肝炎は観察されなかった。 ddYマウス(オス、7週齢)に高脂肪食(60エネルギー%)を投与して肥満させた後に高脂肪・低炭水化物食を投与した結果、短期投与では肥満が改善されたが、脂肪肝は高脂肪食摂取群と同程度であり全く改善されなかった。肝臓における炎症に関与する分子の遺伝子発現について調べた結果、高脂肪食摂取によって炎症に関与する分子の遺伝子発現は増加したが、高脂肪・低炭水化物食摂取によってこれらの増加を抑制することはなかった。また、高脂肪・低炭水化物食を長期投与した結果、肥満となり、脂肪肝もさらに悪化した。 マウスマクロファージ由来培養細胞とマウス肝臓由来培養細胞の共培養により、マクロファージ由来培養細胞単独あるいは肝臓由来培養細胞単独とは明らかに異なる環境が作られていることが明らかとなり、マクロファージ由来培養細胞と肝臓由来培養細胞がクロストークしている可能性が示唆された。
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