研究課題/領域番号 |
25350919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大河原 清 岩手大学, 教育学部, 教授 (40168878)
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研究分担者 |
阿久津 洋巳 岩手大学, 教育学部, 教授 (10374860)
岩木 信喜 岩手大学, 教育学部, 准教授 (80341593)
山本 奬 岩手大学, 教育学部, 准教授 (90552612)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 邪推 / 犯罪行為 / 尺度構成 |
研究概要 |
1 [概念構成]先行研究を参考にして、邪推の理論的枠組みを検討した。邪推とは何かについて邪推を構成する3側面を特定した。3側面とは、一般的悪意(自分に危害を及ぼさないが、なにか悪いことをするのではないかという疑い)、悪意の風評(私にとって不都合な悪意のうわさを流しそうだ)、被侵入攻撃性(私に直接攻撃性が向けられそうだ)である。 2 [写真の収集]これら3側面の検討を進めると同時に、写真を収集して、理論的枠組みの具体的な検討を進めた。写真の収集では、場面を構成する人数、登場人物の表情、顔の露出度、人物の年齢や性別、人物の匿名性、人物背景などの要素、モノクロとカラーの別、被験者を被写体として挿入するかどうか、行為の多義性の程度を検討した。これらの要素を含む写真を撮影した。 3 [邪推尺度の作成]次に邪推尺度を作成した。写真を提示して、その反応から被験者の邪推傾向の程度を測定する尺度を試みた。具体的には、質問項目での3側面を「この人は悪いことをするかもしれない」、「この人は私の悪いうわさを他人に話しているかもしれない」、「この人は私に悪いことをしてくるかもしれない」という表現にした。写真の中に、回答者自身を人物として挿入する形にして、「この人物はあなたです。あなたはどのように思いますか」の質問形式を作成した。3側面について、5段階で回答を求める暫定尺度を試作した。作成にあたり2件法等の回答段階や時制について検討した。 4 [邪推尺度の項目検討]邪推尺度の妥当性を検証するために既存の心理尺度を選定した。これはパラノイア尺度(日本語版Paranoia Checklist)と、MMPIのパラノイア尺度(MMPI第6尺度)である。 質問紙実施の計画を立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
若干遅れているが、26年度前半に調査用紙を完成して、調査を実施可能である。 遅れた理由は、尺度の質的向上に十分な時間を費やしたこと、写真撮影とその収集に時間を要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
・残りの課題を予定通り実施する。 ・調査用紙の作成が遅れたので、その作成を急ぐ。 ・また、NIRS(Near Infrared Sprectory Scopy)を使用した前頭葉血流測定のための、前頭部用ヘッドギアを購入する。これは邪推尺度の妥当性を生理学的に検証するためのものであり、邪推度の高低と前頭葉血流の関連を調べるためである。
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次年度の研究費の使用計画 |
写真入り調査用紙の完成版の作成が遅れて、完成版の調査用紙の印刷ができなかったためである。 ノイズの極力少ない写真の撮影と、それを用いた調査用紙の作成をするために使用予定である。 また、前頭葉血流測定のための前頭部用ヘッドギアを購入する。
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