本研究の目的は、育児支援・障害児支援のためのウェブサイトを構築して、利用者の実態や事後の追跡調査を通じて、情報化社会における育児支援・障害児支援について示唆を得る点にある。当初計画していた3年間では研究が完了しなかっため、期間を1年延長した。4年目にあたる本年度は、前年度に引き続き、子どもの発達障害について、早期診断と早期支援を円滑にできるウェブサイトを完成させて、公開することを計画した。具体的には、発達や障害特性のチェックリストを利用すると、簡易評価の結果をプリントアウトできるPDF形式で出力するとともに、居住地域の相談機関の情報を相談者に提供し、相談機関への受診と相談を促進するようなウェブサイトの完成と公開を計画した。 この計画に基づき、研究代表者がこれまで運営している既存のウェブサイトを対象に、ウェブサイトの内容やアクセス記録(ログ)を解析して得られた相談者や対象児の傾向を、国際知的発達障害学会等で発表し、開発中のウェブサイトの内容や期待できる効果について議論を重ねた。その結果、ウェブサイトをはじめとした情報通信技術の利用が、育児支援・障害児支援に貢献できる点について、多くの有益な意見を得ることができた。このような議論を重ねつつ、本研究で構築を目指す新規ウェブサイトの設計と開発を進めた。(1)PDF出力機能を実装した発達や障害特性のチェックリストと、(2)相談者の居住地域の情報を基に近隣の相談機関の情報を提供するウェブサイト、の2つのシステムを完成させたが、チェックリストの妥当性に関する検証や、2つのシステムの連携に時間を要し、当初の計画通りにウェブサイトの完成・公開までには至らなかった。
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