研究概要 |
平成25年8月(夏:雨季)と26年3月(冬:乾季)に、ネパールの首都カトマンズと丘陵地農村の5~16歳の生徒(総計1,129名)を対象に、1)1日の歩数測定(7~16日)、2)24時間心電図(心拍数)記録(計82名)、3)形態計測、4)体力測定、5)生活習慣調査、6)足型測定等を実施した。 都市部の生徒の身長・体重・皮下脂肪厚は農村部に比べ大きく、肥満者も認められた。都市部の生徒の1日の歩数は、雨季と乾季、平日と休日を問わず、1万歩前後(男子10,206±1,800歩、女子9,243±2,412歩)であった。これには遊び場が少なく、テレビやビデオ視聴など屋内遊びが多いこと、家事手伝いが少ないことなどが背景にあった。一方、丘陵地農村の生徒の歩数は、男子の平日は21,162±7,066歩(雨季)、19,679±6,649歩(乾季)、休日は18,545±8,665歩(雨季)、25,076±10,789歩(乾季)、女子が平日14,93±4,668歩(雨季)、17,110±4,377歩(乾季)、休日15,766±6,678歩(雨季)、18,676±9,482歩(乾季)であった。農村部の生徒の身体活動量の多さは、徒歩での通学時間、家畜の世話や農作業をはじめとする家事手伝い時間、屋外遊びに費やす時間などが多いことが背景にあった。丘陵地農村では、学校で体育の授業がなく、スポーツ的活動も見られない。都市化する以前の子どもは、平均的に男子で1日2万歩前後、女子で1.5万歩以上に相当する身体活動を行っているのではないかと思われる。
|