研究実績の概要 |
工業先進国化する以前の地域の子どもの身体活動量を明らかにする目的で、平成26年8月と27年2月に約2週間ずつネパールへ渡航し、首都カトマンズに隣接するパタン市の平地農村地にあるHgh View小中学校(H校:全校生徒364名)、カトマンズから約20km離れたチミ村にある兼業農村地域にあるGlory English小中学校(G校:255名)および約70km離れた丘陵地農村にあるShree Gyaneshowori小中学校(S校:194名)の児童・生徒の1)日常生活中の歩数(6~10日間)、2)24時間心電図(計68名)ならびに形態、体力、生活習慣、などを測定・調査した。 1日の歩数は、H校が男児12,902±2,759歩、女児10,213±3,261歩、G校が男児12,949±5,484歩、女児8,778±2,843歩、S校が男児14,719±2,332歩、女児12,267±2,655歩であった。H校とG校の歩数は前年度に調査したカトマンズ中心部の小中学校より約1,000歩多い程度で、子どもの1日の身体活動量は少ないと考えられる。その原因として、両校の児童・生徒は約6~8割がスクールを利用して登校している、学校に遊び場がないこと、体育の時間が無いことなどが考えられる。一方、丘陵地農村のS校の歩数は多いが、それでも前年に調査した同地区の他の学校の値より少なかった。これは調査時期が雨季であった影響が考えられる。24時間心電図のデータに関しては1日の心拍数としてまとめており、今後は、過去に調査した5校の形態・体力・生活習慣などのデータを加えて、子どもにとって望ましい身体活動量について検討を加えていく。
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