研究課題/領域番号 |
25350937
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
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研究分担者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40295811)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在外日本人学校 / 中学生 / 生活習慣 / メンタルヘルス / 循環機能 / 健康管理 |
研究実績の概要 |
本研究は、在外教育施設(中国広州市にある日本人学校)における中学生の心身の健康状態を明らかにし、健康管理の在り方について検討し、適切な介入プログラムとしての健康教育の方法を構築し、その効果について検討することを目的とする。 平成27年度は3年目に当たるため、昨年と同様の調査を行った。すなわち、調査対象校に在籍する生徒のうち、検査について承諾が得られた61名(男26名、女35名)を対象に、生活実態調査とメンタルヘルスの調査、生理学的検査を実施した。生活実態調査では、生活状況調査票を用い、普段の生活、勉強、受療状況、健康状態等を質問した。さらに、タイムテーブルによる生活時間や、食生活調査票による食物摂取状況を調査した。メンタルヘルスの調査には、メンタルヘルス・チェックリストを用いた。身体計測として、身長、体重、体脂肪率、腹囲を測定し、循環機能検査として、血圧と、脈波伝播速度(PWV)を指標とした動脈硬化の検査を、ストレスの客観的な指標として、唾液アミラーゼの検査を行った。今回は、内臓脂肪量の測定は、機器の都合で行えなかった。 さらに、生徒の保護者を対象に、現地における保健医療行動に関する問題点や希望する支援をアンケート調査によって把握した。 身体計測の平均値を見ると、身長、体重は標準的な値であった。血圧、PWVは、これまで測定してきた同年代の対照集団と有意な差はなかった。 さらに、比較対象校として、フィリピン・セブ市にあるに日本人補習校についても、生活実態調査とメンタルヘルスの調査を行うことができた。 生活習慣やメンタルヘルスの資料は縦断データとして解析し、保健医療行動の影響などは、今後検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に中国広州市にある日本人学校の中学生で3年間のコホートを作成することができた。このうち、検査に協力が得られた生徒を対象に、健康調査(生活実態調査とメンタルヘルスの調査、生理学的検査)を実施し、心身の健康状態を明らかにすることができた。平成27年度も計画通り調査ができたとともに、生徒の保護者を対象に現地における保健医療行動の問題点や希望する支援について情報を収集することができた。 平成27年度における生徒の健康調査の結果では、とりわけ健康上の問題点が認められなかったが、調査結果(個人票)の返却が生徒と保護者の健康意識の向上につながり、養護教諭による学校での健康教育の契機になった。 さらに、平成27年度には比較対照校として、フィリピン・セブ市の日本人補習校でも、生活実態調査、メンタルヘルスのアンケート調査を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、これまでの調査結果から把握できた健康上の問題点を整理して、健康教育を行っていくうえでの要点を整理する。可能であれば、実際に健康教育を現地で実施する。3年間の縦断データから、生活習慣が健康に及ぼす影響を明らかにする。さらに、生徒と保護者の保健医療行動の問題点と生活習慣病などのリスク要因との関連性を明らかにし、現地における疾病予防に対する保健利用行動を含めた、心身の健康管理システムの構築を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年に続き、入力補助の費用を使わずに入力することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
今度は最終年度であるため、報告書に係わる入力・解析など、入力補助に係わる費用を使用する。
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