この研究は、保育園や幼稚園での生活で幼児が示す気になる行動(たとえば「友達を叩く」「集まりで座っていられない」)の背景を身体感覚の偏り(過敏性や鈍麻性)の面から評価すること、保育者が幼児の身体感覚の向上の視点から保育を計画・実践するための資料を整理することを目的としていた。結果から、気になる行動を示す幼児はそうでない幼児に比して、身体感覚の偏りが全般的に大きいことが分かった。また、幼児が身体感覚を使う活動をすることで、その偏りが改善する可能性が示唆された。一方で、気になる行動を特定の身体感覚の偏りとの関連から説明するためには、さらなる検討が必要であり、今後の課題となった。
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