研究実績の概要 |
1.読み書き能力検査:研究承諾書を得ることができた研究協力校15校に対して、読み書き検査を郵送し、小学校1年生1,295名分のデータを得ることができた。 2家庭の文字環境に関するアンケート調査:家庭環境の影響を調べるために、児童の保護者を対象に家庭の文字環境(塾・通信教育を含む)に関するアンケート調査を実施した。対象者は、読み書き能力検査の調査対象者の保護者であった。実施時期は、1班が平成26年1月~3月、2班が平成27年1月~3月であった。児童用読み書き検査を各小学校へ郵送する際に保護者用アンケート用紙も同封し、児童を通じて各家庭に配付し、記入後は、封筒に入れて個人情報を保護し学校に提出をしてもらった。保護者アンケートの対象者は1,095名であった。 3.幼児教育施設の文字環境に関するアンケート調査:平成25年度に実施した読み書き能力検査(1班)の対象児童の出身園203園を対象に、幼稚園や保育所における文字環境のアンケート調査を実施した。実施時期は、平成26年6月であった。101名の保育者から回答を得ることができ、回収率は49.8%であった。 4.幼児教育施設の文字環境に関する視察とインタビュー調査:平成25年度に実施した読み書き能力検査(1班)の調査対象児の読み書き検査の成績を出身園ごとに集計をし、平均値が高かった幼稚園1園と保育所1園を選出し、園の文字環境を調べるために保育視察と保育者へのインタビュー調査を実施した。調査実施日は、平成27年2月であった。 5.データ分析:家庭の文字環境と幼児教育施設の文字環境が小学校1年生の読み書き能力とどのように関連しているのかを検討したところ、家庭の文字環境の影響、特に家庭における読み聞かせの影響があることが明らかになったが、幼児教育施設の文字環境の影響はあまり見られなかった。
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