研究概要 |
(1)小学校における事故発生リスクと屋外気象要素との関係の把握:2005年~2009年における小学校で発生した事故データと、対象年度の気象データとのマッチングを行った。このマッチング作業を東京都、名古屋市、大阪市について作成し考察を行った。これにより以下の知見が得られた。 1) 外気温の発生頻度で重み付けした事故発生率と外気温との関係を求めたところ, 校庭及び教室の両場所において, 事故発生率のピークが20~24℃の範囲に見られた。これは児童の行動の季節変動により, 運動の活発さが, この外気温範囲にピークを迎えることを表していると考えられる。 2)児童の活発さの季節変動の影響を表す指標として, 校庭での体育時間中の事故発生率と外気温との関係及び校庭での休憩時間中の事故発生率と外気温との関係を利用して教室及び体育館における事故発生率と外気温との関係を補正する手法を提案した。 3)教室については,校庭体育補正事故発生率,校庭休憩事故発生率ともにどの都市においても外気温24℃以上及び14℃以下の階級では補正事故発生率の上昇が見られた。 4)Mantel-Haenszel法を用いた,教室における外気温-校庭体育補正事故発生率関係の対象都市間の検定を行ったところ,冷房設置率に大きな差がある東京区部と東京市部の2007~2009年における教室の校庭体育補正事故率(高温域)に有意な差があり,冷房設置率の高い東京区部の方が校庭体育補正事故率が低かった。
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