研究課題/領域番号 |
25350949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
伊藤 信寿 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (00280206)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 療育態度 / 発達障害 |
研究概要 |
研究目的は,発達障害児に対する保育園や学校支援に焦点を当て,養育者に対するペアレント・トレーニングの保育士・教師版を開発することである.平成25年度の研究実施計画は主に次の3つである.①保育士・教師を対象とするトレーニングを作成する.②プログラムの効果を評定する評価方法を検討する.③協力を得られる保育士あるいは教師と連携する. それぞれの項目について実施状況を記載する. ①保育士・教師を対象とするトレーニングを作成する.発達障害児の養育者に対するペアレント・トレーニングを参考に,保育士・教師向けのトレーニング内容を検討中である.養育者向けのペアレント・トレーニングにおいて,養育者の養育態度の修正に影響を与える要因と,修正されていくプロセスを検討中であり,それが明確にされ次第,その内容を盛り込んだプログラムを作成する. ②プログラムの効果を評定する評価方法を検討する.養育者向けのペアレント・トレーニングで使用している評価方法を実施する予定である.主には,観察による子どもの行動変容,保育士・教師へのチェックリストと記録,保育士・教師のディスカッション場面における発言内容の変化である. ③協力を得られる保育士あるいは教師と連携する.発達支援センターの職員,市内の幼稚園・保育園の主任級職員に対して,発達障害に対する理解というテーマで,研修会を実施し,協力依頼と連携の依頼を行った.その結果,発達支援センターと2つの保育園から協力の承諾が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
協力を得られる施設は,確保済であるが,保育士・教師向けのトレーニング内容がまだ検討中である.これは,別の研究で行っている,発達障害児の養育者を対象としたペアレント・トレーニングにおける,養育者の養育態度の修正に影響を与える要因,養育態度が修正されていくプロセスにおいて,検討中のためである.しかし,これは平成26年の夏頃までには明確にされる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
保育士・教師向けのトレーニングを作成し,実施する.今回は保育士に焦点を当てる.協力の承諾が得られている施設に対し,対象となる保育士を紹介していただき,研究の趣旨を説明し,承諾を得る.さらに保育士が担当するクラスの中において,気になる児童を1名選定する.選定された児童の保護者に対し,研究の趣旨を説明し承諾を得る.トレーニングは,週1回を10セッション行う予定である.各セッションで行動分析的な対応を保育士へ教授する.そして教授された内容を保育園で実施する. 効果判定は,対象とした児童の行動変化を観察し評価する.シングルケースデザインで,ベース期と介入期を設定し,ベース期で得られたデータを基礎データとする.また,保育士に対しインタビュー調査を実施する. 評価結果より,プログラムの内容を分析し,問題点を明確にし,改良を加えていく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
保育士向けのトレーニングプログラムの検討が予定より遅れているため,保育園訪問等の交通費と,データ入力のための人件費において使用しなかった.それに伴い,対象となる子どもの基礎データとなる知的検査を実施できなかったため,検査用紙を購入しなかった. 平成26年度においては,トレーニングプログラムが夏頃に完成予定であり,完成次第,保育園訪問を開始する予定である.さらにプログラムの開始と同時に,データ入力に人件費と検査用紙を申請する予定である.
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