研究課題
本研究では、学校における健康相談活動を支援するシステム構築に必要となる基礎的事項を開発することを目的としている。昨年度までに、「学校教育環境における健康相談支援システム」について本研究の手法を応用する可能性について十分な知見が得られたので、本年度は「同システムを構成する基盤技術」に関した別の視点での研究を試みた。まず、本システムの柱の一つである「主観評価測定」について、従来法であるLikert Scale(以下「LS」)質問紙および本研究で提案してきているVisual Analog Scale(以下「VAS」)質問紙の両者について、同一の質問項目を用いた主観評価測定を実施した。その結果、質問項目によってLSまたはVASを使い分けた方が的確な主観評価測定が可能になる示唆を見出すことができた。一方、健康相談活動時に被験者の感情を鎮静化させる(いわばリラクゼーションにつながる)ことが重要な要素と考え、その目的のもと、自然音あるいは1/fゆらぎ音を聴取させた場合の加速度脈波解析を実施した。これにより、自律神経活動に与える影響を定量化するとともに、加速度脈波解析と同時に実施した主観評価測定と合わせ、被験者の微妙な感情について、これら二つの指標の複合体として表現すべく研究を継続していった。その結果、これらの音聴取による自律神経活動への影響は、これらの音に対する被験者の嗜好の影響が表出しているのではないかという示唆が得られるに至った。以上の研究の結果から、本研究で開発した独自のシステムにより、従来の学校における健康相談活動に対する支援システム構築が十分可能であると結論付けるに至った。
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