研究課題/領域番号 |
25350954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
池田 理恵 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70249051)
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研究分担者 |
関 明穂 岡山大学, 保健学研究科, 客員研究員 (20314685)
杉浦 絹子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50378296)
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 寝床内気候 / 乳児 / アクチグラフ |
研究概要 |
データ収集:4月にベッドにポリエステル製の敷きパッドを用いて添い寝をしている母子一組を対象に母と子の寝床内気候と睡眠覚醒状況についてデータ収集を行った。 学会発表:以下の内容を報告した。綿わたベビー用敷き布団を使用している生後2~5か月の乳児とその母親2組と対照としてポリエステルわたベビー用敷き布団を使用している3か月の母子2組を対象とし,夏の寝床内気候の比較を行った。データ収集は夏季7~9月に,対象宅において,敷き布団の背部・足部の温・湿度を1分毎に連続して3晩測定した。寝床内温度は35~36℃で,寝具による違いはみられなかった。綿布団を用いたときの寝床内湿度は高いときは90%を超えていたが持続時間は1時間以内であり,湿度が100%に達することはなく,概ね50~80%で推移していた。ポリエステルわた布団に比べて綿わた布団は寝床内湿度を低く保つことが裏付けられた。また,夏季の寝床内湿度を調整する寝具として簡便に使用できるものとして,精製した脱脂綿とガーゼで作られたパッドシーツ(サニセーフ,竜宮株式会社製)を選定し検討した。普段は成人用寝具で添い寝をされており,敷き布団,ベビー用防水シーツ,敷きパットを使用していた。この時の寝床内湿度が90%を超える時間が2時間以上続き,3晩めには100%になることが2時間以上にわたり2回みられた。一方,サニセーフ使用時の寝床内湿度は70~90%で夏季の寝床内高湿度を調整する寝具として,サニセーフの成績は良好であった。また,ポリエステル綿と綿布団で乳児の睡眠状況を比較したところ,綿布団での睡眠状況が良好であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集については季節ごとに行っていく予定であり,今年度は1例とやや少なかったが,次年度は研究協力者にデータ収集における協力が得られる予定であり,温湿度計の機器も整ったので,複数のケースを同時に測定し,特に夏,秋,冬に実施予定である。データ分析は随時,データが追加されるごとに,寝具と季節に違いで比較していく予定であるが,今年度は現時点で比較可能なケースについて,睡眠覚醒状況の分析を行い1つの国際学会を含む2つの学会で報告した。この点については本研究課題の主要なテーマであり,着実に成果が得られている点と考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はデータ収集と分析を並行して行う予定である。夏季に2例,秋,冬に1例ずつを目標としている。綿布団がポリエステル綿布団に比べ,夏の寝床内気候の成績が良く,睡眠状況においては,寝床内気候に大きな差のない春においても良好である傾向がある。こうした結果を,例数を増やすことにより,確実な成果として示したいと考える。また,一定の結果が得られたところで,論文として報告したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加予定の国際学会を変更したことで,旅費に差額が生じたため。 平成26年度は睡眠に関する国際学会に参加する予定であり,渡航費,参加費,ポスター作製費を支出する。データ収集は夏,秋,冬にそれぞれ1,2例を目標に実施予定であり,それに関連し,被験者謝金,アクチグラフ解析料,研究協力者の謝金等を支出する。また,海外誌への論文投稿を2件予定しており,英文翻訳,校正料を支出する。
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