研究課題/領域番号 |
25350957
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
駒田 陽子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40451380)
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研究分担者 |
高江洲 義和 東京医科大学, 医学部, 講師 (90421015)
中島 俊 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (10617971)
ブルーヘルマンス ラウール 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50424601)
守田 優子 東京理科大学, 教養部, 助教 (50710068)
田村 典久 東京医科大学, 医学部, 助教 (00739435)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども / 睡眠 / 眠気 / 時間生物学 / 学業成績 / 概日リズム / social jetlag |
研究実績の概要 |
概日リズム睡眠覚醒異常症群は、夜間に眠り、朝目覚めて日中活動するという一般的な睡眠・覚醒スケジュールを保つことができない疾患である。疾患に至る前段階として、夜型クロノタイプ、不適切な睡眠衛生、平日と週末の睡眠時間帯がずれるsocial jetlag (SJL)、概日リズム変調と気分の落ち込みなどがみられる。本研究では、子どもの概日リズム変調・眠気の実態を明らかにするとともに、集団での睡眠教育の介入効果について検討した。都内公立中学校にて、眠気と概日リズム変調予防のための睡眠教育を実施し、1年後にフォローアップ調査を実施した。調査内容は、基礎情報、生活習慣に関する調査、PDSS-Jで構成した。学力は、区で実施した学力調査の各教科の得点から総合偏差値を算出した。その結果、学年があがるにつれ平日就床時刻は遅延し、睡眠時間が減少した。SJLが2時間以上の生徒は、男子13.9%、女子11.2%であり、10人に1人以上の生徒が概日リズム変調・疾患につながる危険性があると推定された。学習時間が短いこと、ディスプレイ使用時間が長いこと、SJLが大きいことが成績不振に関連していた。1年後のフォローアップにおいては、2年度分の総合偏差値を用いて、成績アップ群、成績キープ群、成績低下群、成績低迷群の4群に分けて生活習慣を検討した。成績アップ群と成績キープ群では、SJLは1時間未満であったが、成績低迷群では1.1時間、成績悪化群では1.7時間であった。また成績低迷群では平日のディスプレイ使用時間が4時間を超えており、他の3群に比べて有意に長かった。ロジスティック回帰分析で成績悪化の要因を検討したところ夜型指向のみが有意な関連要因として抽出された。睡眠教育を取り入れて、平日と休日の睡眠時間帯を変えないよう指導することによって、中学生の日中眠気が低減し、成績が改善する可能性が示唆された。
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