研究課題
我々は最近、ミトコンドリアタンパク質由来の好中球を活性化する新しい2種類の生理活性ペプチドであるマイトクリプタイド-1(MCT-1)ならびにマイトクリプタイド-2(MCT-2)を生体組織より単離・同定した。またミトコンドリアタンパク質から産生される断片化ペプチドの中に、好中球活性化能を持つ多数の生理活性ペプチドが存在し、好中球の生理的挙動がこれら多数の活性ペプチドによって制御されている可能性が高いことを明らかにした。そこで本研究では、さらに新規マイトクリプタイドを同定すること、それらの情報伝達機構および生理的存在意義と病態との関わりを解明することを目的としているが、本年度の研究の結果、以下の成果を得ることができた。1)新規マイトクリプタイドの同定:ミトコンドリアDNAにコードされているタンパク質から産生される可能性があるホルミルペプチドを予測し、それらペプチドの好中球様細胞に対する効果を検討した。その結果、MCT-2と同等以上の活性を持つ5種類の新規ホルミルペプチドを同定した。2)情報伝達機構の解析:昨年度に引き続き、MCT-1、MCT-2ならびに新たに同定したマイトクリプタイド-3(MCT-3)の好中球様細胞活性化における構造活性相関を検討し、それらの受容体活性化に必要で十分な構造単位を明らかにした。3)生理的機能の解析:すでに昨年度までにMCT-1やMCT-2の生理機能を解析する上で重要なツールとなる、それぞれに対する中和抗体を得ているが、本年度さらにMCT-2に対するペプチド特異的抗体ならびにMCT-3に対する中和抗体を獲得した。またMCT-1およびMCT-2の生体機能を明らかにするため、それらをマウス腹腔内に投与し、様々な免疫細胞の浸潤および活性化を検討した。その結果、MCT-1およびMCT-2が低濃度において好中球の腹腔への浸潤を惹起することが示された。
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