研究課題
1. 多重共鳴MRI法の開発生体イメージングの新手法として、多重共鳴 NMR 法のパルス系列と 1H MRI で用いられる高速スピンエコー法を融合した多重共鳴MRイメージング測定法を開発した。本手法を用いることにより、水や脂質などの内在性ノイズシグナルの完全消去に成功し、安定同位元素(13C核, 15N核)でラベルした分子プローブのみの画像化に成功した。2. 安定同位元素を集積化したポリマーナノプローブの開発MR イメージングに有効な高い選択性と高い感度を持つ分子プローブとして、細胞膜脂質の一部であるホスホリルコリン骨格を13Cおよび15N核で二重ラベルしたポリマーナノプローブ(13C/15N-PMPC)の開発に成功した。上記多重共鳴MRI法により、13C/15N-PMPCのみを高選択的に画像化することに成功した。さらに、本プローブは、EPR効果の発現に適切な分子サイズを有し、本プローブがマウス腫瘍に極めて効率よく集積する様子(腫瘍集積率: ca. 30%ID)を in vivo において多重共鳴 MR 画像化することに成功した。3. 腫瘍特異的抗体を付与したポリマーナノプローブの開発13C-ラベル化ポリマーナノプローブ(13C-PMPC)に腫瘍特異的抗体(抗Her2-scFv)を付与したポリマーナノプローブの開発に成功した。本プローブは、抗Her2-scFvの効果によりHer2陽性のヒト胃がん腫瘍に選択的に集積すること、一方で肝臓等の際者臓器への集積が抑制されること、13C-PMPCに比べて腫瘍への集積/排泄が速いことを明らかにした。さらに、本プローブを用いて担癌マウスのHer2陽性ヒト胃がん腫瘍を選択的に多重共鳴MR画像化することに成功した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件)
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