研究課題/領域番号 |
25350984
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
木村 忠史 独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖創薬技術研究センター, 主任研究員 (60344214)
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研究分担者 |
久保 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬分子プロファイリング研究センター, 副研究センター長 (10178030)
亀山 仁彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50224697)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | PERISS法 / 大腸菌 / パッチクランプ / パドルキメラ |
研究実績の概要 |
本研究では、研究結果を基に将来的には本研究で行う手法を電位依存性イオンチャネル全般に適用し、電位依存性イオンチャネルの各サブファミリーを識別するペプチド性リガンドを意図的に創製できる技術として展開することを考えている。そのためには電気生理学的測定方法が簡便にできる必要がある。パッチクランプ法はもっとも測定感度の高い方法であるが、ガラス電極を技術を習得するまで時間が掛かることや一日に得られるデータポイント数が限られていることから新たな測定手法が必要である。今年度はこれまでに技術開発を進めてきた大腸菌を用いたパッチクランプ法について実用化に耐えられる技術とすることを目的とした。昨年度までに大腸菌を巨大スフェロプラスト化する最適条件を得ることができ、測定用の平板型ガラス電極の直径5ミクロンの穴より大きな直径7-10ミクロンの大腸菌巨大スフェロプラストを安定的に得る技術を開発できた。この大腸菌巨大スフェロプラストを用いてパッチクランプ法によりヒト型電位依存性カリウムチャネル(hKv2.1)の電流の測定に成功したが成功率が20%程度であったため、より高効率に測定できる必要が認められた。そこで螺旋型マイクロ流路を用いた濃縮系を構築した。螺旋型マイクロ流路を通る時にかかる遠心力によって「デブリ」「大腸菌」「巨大スフェロプラスト」等を分離することができ、濃縮した巨大スフェロプラストを得ることが可能となった。このサンプルを用いることにより、パッチクランプによる測定の成功率が80%程度まで上昇し、実用化に耐える技術となった。この内容を論文として投稿した。また、ヒト型電位依存性カルシウムチャネルhCav3.1, hCav3.2, hCav3.3のアフリカツメガエル卵母細胞発現系を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規技術開発である大腸菌パッチクランプ法の論文化を積極的に推進したため、パドルキメラを用いたPERISS法の実施に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
PERISS法の実施に必要な要素技術を確立できてきており、これまで半年以上かかっていたところを数ヶ月で実施可能としているので、遅れを取り戻すべくPERISS法を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規技術である大腸菌パッチクランプ法の開発に注力したため。
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次年度使用額の使用計画 |
PERISS法実施に必要な費用に充当する予定。
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