高次脳機能を有する高等動物ほど、脳内のグリア細胞の数が多いといわれる。しかし、1)どれだけの数のアストロサイトが必要なのか、2)アストロサイトの占有面積(拡張領域)とシナプス機能は関連するのか、などは不明である。本研究では、培養アストロサイトの形成領域の制御に基づいたシナプス動態(情報伝達)とシナプス形態(形成秩序)変化の作動原理を検討した。結果、アストロサイト領域の面積を変えても興奮性シナプス伝達には影響しないことが分かった。ところが、1ニューロン当たりのアストロサイト数を変えてみると、アストロサイト数が1-5個では興奮性シナプス伝達は低下する傾向を示すことが明らかとなった。
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