本研究は個性や人格の神経基盤を脳のネットワーク解析によって探求するものである。脳内機能的ネットワークの特徴を表す指標として、この分野では初めて正規化アルファ中心性を導入し、次の2点についてその有用性を示した。【1.男女差の神経基盤】両側の前島皮質、右の下前頭回および楔部に有意な男女差を認めた。結果はこれらの脳領域が男女差の神経基盤に重要な役割を果たすことを示唆する。【2.人格に関わる脳領域】Cloningerの気質・性格モデルとBig-Fiveモデルの各スコアと有意な相関を示す複数の脳領域を認めた。結果は複数の脳領域が各人格特性に関わって脳内機能的ネットワークに埋め込まれていることを示唆する。
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