下側頭葉に埋め込んだマイクロ電極アレイから神経活動記録を行い、顔の方位と個人識別情報(ID情報)の表現様式が、記録部位によって異なることを明らかにした。また、さまざまな顔の3DCGモデルを作成し、モーフィング操作によるID変化と回転による方位の変化が与える神経応答ならびに知覚時間への影響を調べる画像データベースを構築した。同データベースを用いた心理物理実験により、ID情報の識別で特に顕著な、知覚時間の遅れ現象を明らかにした。さらに、神経応答から、神経情報処理の非線形な効果を同定する解析手法を新たに開発した。一方、電極埋め込みを介した皮質電気刺激の予備実験から技術的問題点が明らかになった。
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