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2014 年度 実施状況報告書

生業特性から見た文化的景観構成要素としての集落評価

研究課題

研究課題/領域番号 25360003
研究機関北海道大学

研究代表者

八百板 季穂  北海道大学, 観光学高等研究センター・特任准教授, その他 (30609128)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード文化的景観 / 景観構造 / バングラデシュ / テクナフ半島
研究実績の概要

・テクナフ半島内の集落毎の景観構成要素を把握した。基本的に、どこの村も、屋敷林、水田、畑、キンマ栽培畑、屋敷、森を基本的な構成要素としてもっていることが分かった。
・半農半漁の集落であるモヒシュカラリ村において、ヒアリング調査および土地利用調査を実施した。漁業組合に対するヒアリングでは、農業だけでは生計をたてられない貧困層が、ゆるやかなグループを形成し、船主から船をかりて漁を行っていることが分かった。
・シャムラプール村でのヒアリング調査と土地利用調査では、3年前に広がっていた広大な塩田畑が、サイクロンによる被害で消失していることが明らかになった。サイクロンが堤防を破壊してしまったため、塩田はすべて水浸しになっており、農地として復原することが難しい状況になっていた。
・仏教徒の村であるチャクマ村では、部分的にイスラム教徒の家族も住んでおり、互いの祭りに参加しあいながら生活していることが分かった。チッタゴン丘陵地では、民族間の紛争が絶えず、2年前も政情不安に陥ったが、テクナフ半島においてはそうした状況が見られないことがわかった。
・文献調査より、人間による活動が活発になる以前、テクナフ半島全体はフタバガキを主とする森林で覆われており、沿岸部にもマングローブ林が茂っていたことが確認できた。その結果、人間による活動により、それらの森林の大部分が失われていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に、現地の政情不安のために渡航を控えた。その遅れを取り戻しつつあるものの、次年度で予定通り達成する予定である。

今後の研究の推進方策

・ユネスコ世界遺産委員会に参加し、文化的景観に関する最新の国際的な議論を把握する。伝統的な生業の規模の拡大が自然環境を脅かしているテクナフ半島を、「文化的景観」として価値づけることができるのか検討する。
・センサスデータや都市計画その他計画書、納税データ、史資料を収集、分析し、テクナフ半島の空間史を明らかにする。
・農業、塩田業、漁業、エビ養殖、祭り、自然資源などにかんするシーズナルカレンダーを作成する。

次年度使用額が生じた理由

初年度に現地の政情不安のため渡航を控えたことが影響し、全体計画が少し遅れているため。

次年度使用額の使用計画

前年度に予定していた渡航を今年度に実施して使用する。
物品については、図書や一眼レフカメラを購入して使用する。
ホームページ内に科研費コーナーを設立し、研究成果を報告する予定で、これに「その他」の予算を使用する予定。

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公開日: 2016-05-27  

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