タンザニアの乳幼児死亡要因の共通性と地域性とともに、相互扶助の寄与について明らかにした。乳幼児死亡率が高かった3地域にて再生産年齢女性238人を対象に行った質問票インタビュー調査では、女性達の半数近くが乳幼児の死亡を経験していた。子どもの死亡経験・死亡数を軸に統計的な分析を行った結果、これまで先行研究で言及されていた出産場所・介助者、教育や知識、食関連の要因を再確認するとともに、それらの地域差も確認した。さらに、食をめぐる相互扶助は、乳幼児の生存に寄与していたことを明らかにした。しかし食料が不足する地域では、相互扶助から漏れている相当数の女性と子ども存在しており、乳幼児死亡のリスクは高かった。
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