ベトナム国内で退役軍人・元青年突撃隊隊員に戦争体験について聞き取り調査を実施した。北部山間部のトゥエンクアン省、南端のカマウ省といった僻地、韓国軍の駐屯地だったビンディン省、それから知識人層を中心にハノイ市とホーチミン市においてである。カマウ省では40年代から一貫して解放勢力側の基地が存続していたことが確認できた。ビンディン省では韓国軍による虐殺の記憶について確認することができたが、いわゆる「ライダイハン」問題はそれほど大きな問題になっていないと感じた。ホーチミン市での聞き取り調査では、北部の退役軍人会や青年突撃隊とのありようの違いが浮き彫りになった。ハノイでは学徒出陣兵の調査を行なった。
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