研究課題/領域番号 |
25360010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80346098)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 農業生産システム / 災害レジリアンス / 土地利用 / 空間モデル |
研究概要 |
本研究の対象地域は,インド東南部のタミルナドゥ州カダローア沿岸部およびインドネシアのジャカルタ周辺地域である。まず,農業生産システムの現況把握と地域資源の最適利用案の提示を行うため,調査項目の整理と設定を行った。対象地域の農業は米作が中心であるが,その他にもココナッツ,バナナ,タピオカ等の換金作物等を栽培している。カダローアではインド洋津波の影響のあった沿岸部を中心として,農業生産システムは,この10年でかなりの変容を遂げている。こうした被害地域で,政府や農業従事者への聞き取り調査を実施し近年の被害状況やその後の復興,居住地の変遷(復興住宅)等の情報を収集した。 同様にジャカルタ周辺地域においても聞き取り調査を行い,また,衛星画像解析やGISデータを収集・解析し,聞き取り情報との統合を図り,データベースを構築した。気象,人口等のデータについてもジオリファレンス(位置情報を与える)を行い,これらをGIS 上で一元的に集約する作業を始めており,また,関連文献レビューにより災害レジリアンスに関連する地域資源の整理,および重点的に収集する情報の設定と調査項目の設定を行った。 前者については,成果の一部を取りまとめ,原著論文として投稿し,現在レビュープロセスにある。後者については,10月にボゴール農科大学で開催された国際シンポジウムにて成果の一部を取りまとめて発表を行っている。また,当該成果は原著論文として投稿準備に入っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の初年度として社会経済データや自然条件データを収集し,それらをGISで一元的に管理することを第一の目的としていた。現地調査を5度実施し,行政関係者との折衝や地元住民との交流,大学をはじめとした研究機関との連携を確立し,平成26年度以降の研究実施のための基盤作りを行うことができた。 また,集約したデータを空間的に解析し,一定の成果を得たため,平成25年10月にはインドネシア,ボゴール農科大学で開催された「4th Jabodetabek Study Forum Seminar- Resilient Megacities: Idea, Reality, and Movement-」において「Exploring the Driving Forces of Land-Cover Change Behind Urban Expansion in Jabodetabek, Indonesia」と題した論文発表を行い,貴重な意見交換を行う事が出来た。 インドでの聞き取り調査の結果についても,災害復興と農業を中心として生業に関して興味深い結果が得られたため,原著論文として投稿する状態まで達成することができた。以上により,初年度で成果発表の段階まで達成できた事を判断すると,当初の計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,地域資源の利用実態の調査を中心に実施したい。人的資源や土地資源等のその場所にある地域資源の利用実態の調査を行う。水源へのアクセスや地形の利用方法など当該地域で歴史的に行われている農法や作付け状況の実態調査も含めて,地域資源の利用実態を明らかにする。また,検討した調査項目を用いて対象地域内で選択したいくつかの村で詳細な聞き取りを実施する。住民の意識や組織的な農業活動への参加度やネットワークを把握し,ソーシャルキャピタルを測定し地図上で空間上に表示する。なお,分析・表示単位は100mメッシュ程度の大きさを想定している。 さらに,地域資源の最適利用案の提示を行う。自然災害の近年の被害地域を推定し,地形や居住地,水源等の情報を合わせて,かつ聞き取り情報を元にした居住地や農地の適地選定のシナリオを設定し,現況との乖離を指摘し,地域資源の最適利用案を提示する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度2月頃に村レベルでの人口動態,社会経済等のデータを購入予定であったが,データ購入手続きに予定以上の時間がかかり,次年度4月以降になることが判明したため,次年度使用額(79,222円)が生じることとなった。 次年度4月以降にデータを購入するため,行政関係者との調整を続けている。データ整備がなされれば,速やか執行する予定である。したがって,次年度の助成金とは合算することはないが,端数がでた場合には合算して購入することとなる。
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