エチオピアの南部州グラゲ県およびアジスアベバ市において、現地のHIV陽性者団体の協力を得て陽性者の生活の質の維持を困難にしている社会的・経済的および健康上の諸問題に関する調査を実施した。エチオピアにおいては抗HIV治療体制の展開により、HIV流行の拡大を抑えることに成功しているものの、HIV陽性者の中には困窮や孤立、併存症などの問題を抱えて生活を再建できずにいる者もいることが明らかになった。またHIV感染症に対してレジリアントな社会を構築するには、抗HIV治療薬の展開に加えて、多くの問題を同時に抱えた人々の生活再建のためのサポートが重要であることが明らかになった。
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