2015年に刊行された『牧畜世界の共生論理:カリモジョンとドドスの民族誌』(京都大学学術出版会)および同年に開催された人間行動進化学会(特別セッション)において、東アフリカにおける生業牧畜社会への強権的外部介入の政治の前提的認識を崩す応用・批判的生態人類学の試みを提示した。 具体的には、牧畜社会の重層的なアイデンティティという視点を共有し、牛との共生における便宜に即して選択される強力なカテゴリー形成の機序を検討した。そのうえで、牧畜民集団間における共生の知恵として、種を超える<個体主義>の定式化を試みた。
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