研究課題/領域番号 |
25360021
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
趙 軍 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (30301831)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乱民 / 歴史教育 / 歴史教科書 / 日中戦争 / 抗日戦争 / 反日デモ / 相互認識 |
研究実績の概要 |
平成27年度では、主に以下のような研究活動を行いました。(1)中国歴史教育と近現代史研究の中心的地域である上海市・武漢市に赴き、「1930年代以来の歴史教育」「1930年代以来の『反日・抗日』出版物」「2005年以降の対外ネット輿論の実情」をテーマとして、研究資料と関連出版物などを収集しました。また、その後、中国歴史教育と中国近現代史関連資料が最も豊富に所蔵している台湾中央研究院近代史研究所郭廷以図書館と近代中国外交公文書を多数新規公開している同研究所档案館にて、「1930年代以来の歴史教育」「1930年代以来の『反日・抗日』出版物」をテーマとして、多数の関連資料を集めました。(2)中国の上海と武漢では、現地の中国近現代史・教育史の研究者及び教育行政の政府関係者らと面談や座談会を開催し、本研究課題の一部の原稿と構想に基づいて意見交換しました。台湾では、抗日戦争の実際の参加者・指揮者など歴史の当事者や日中戦争史・軍事史の専門家らと面会・意見交換することができ、本研究業績の一部の内容に基づいて、小範囲の公表と討議を行いました。(3)2015年11月21日において、本課題の研究代表者である趙軍を中心として、日本華人教授会議主催の「戦争・対立から平和へ――歴史研究現場からのメッセージ:戦後70年記念国際シンポジウム」は千葉商科大学国際会議場で開催されました。日本国内、中国本土、台湾からの研究者数十名はこのシンポジウムに参加し、15本の研究報告を発表しました。このシンポジウムも本研究課題の一部であり、研究代表者の趙軍は本研究課題成果の一部を大会に報告し、海外研究協力者として招聘された北京大学教授蔵運祜先生と中央研究院研究員呉啓訥先生もそれぞれ学術報告を行いました。その後、本研究課題の関係者はまた千葉商科大学に集め、ワークショップを行いました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)本来、中国近代政治史と中国社会史専門の中国人研究者2名を招聘し、本研究の研究成果を検証・披露し、意見交換と学術交流を図るワークショップを開催する予定だったが、先方の研究スケジュールの都合で、平成27年度内の実施ができませんでした。(2)研究成果となる論文の執筆が、多くの資料を丁寧に、多視点からの検証が不可欠ですが、その作業はやや遅れています。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に必要な資料などはほぼ確保でき、今後は主に、(1)資料に対する総合的検討を行う上、研究成果となる論文の執筆作業に力を注いでいきたい。(2)中国本土や台湾など各地で開催される学会に参加し、東京にでもワークショップを開催し、学会の最新動向をキャッチしながら、本研究課題の成果を公表する形で多くの研究者・専門家と意見交換して、完成度の高い研究成果をまとめていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)本研究課題の成果を公表・検証するためのワークショップを開催経費として、(2)本研究課題の成果を公表・検証するための国内・海外シンポジウム・学会の参加旅費として使用する予定になっております。
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次年度使用額の使用計画 |
(1)平成28年11-12月前後、本研究課題の成果を公表・検証するためのワークショップを開催予定である。(2)夏休み前後と平成28年11月前後、本研究課題の成果を公表・検証するため、中国国内開催される複数の国際シンポジウムに参加する予定である。
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